株式会社ニコン 次世代プロジェクト本部|Japan

概要【光による自由自在なものづくり】

付加加工
ニコンは「光を工具に、光を目に」をコンセプトとし、レーザーによる付加加工を実現しました。ニコンの金属3Dプリンターの特長を説明します。

ニコンが提案する金属積層造形

ニコンの金属3Dプリンターは、金属を溶かしその部分に金属粉体を投入し積層していくLMD(Laser Metal Deposition)方式を採用しています。この方式は、既存部品への付加加工が可能なことが特徴です。ゼロからの金属造形はもちろんのこと、既存部品への新たな機能付与、精密なリペアの実施等、金属造形の世界を拡げることができます。
金属3Dプリンターの方式金属3Dプリンターの方式
金属3Dプリンターの造形方式一覧

5軸機構による付加加工が特徴

ニコンの金属3Dプリンターは5軸機構を採用しています。5軸機構とはX,Y,Zの3軸に、回転の2軸を加えた機構です。回転機構は、ろくろのように回転する軸と、ブランコのように傾斜する軸で構成されています。5軸機構の採用により、自由度の高い造形を可能としています。
5軸機構による付加加工5軸機構による付加加工
左はステージがスイングし、造形する様子、中央はステージの回転(C軸)、スイング(A軸)のイメージ図。この機構により右のような複雑な形状が造形可能となる

使いやすさと工数削減を実現する3Dアライメント

装置内に測定カメラが内蔵されており、ニコンが長年培ってきた測定・測距技術を駆使して、造形物(ワーク)の位置などを自動で把握します。360度全方位からのスキャニングを行い、精度の高い3Dアライメント計測(光線を対象物に当てて反射する時間差や照射角度を解析して3次元形状を測距)が行われます。
これにより、一般の金属3Dプリンターでは熟練した作業者が手動で合わせていた「位置決め(段取り)」が誰でも簡単に出来ることになり、使いやすさと工数削減を実現しています。
金属3Dプリンター装置内の写真。〇印の2か所に測定カメラが内蔵されている
金属3Dプリンター装置内の写真。〇印の2か所に測定カメラが内蔵されている

均一な形状を実現するメルトプールモニタリング

金属の溶融池(メルトプール)の溶融状況を観測し、造形形状を安定させるように造形動作を制御します。この制御により熱が高まりやすいエッジ部分の突起発生などをなくし、均一な形状を実現。
また、粉体供給時に、粉体を高速で観測して粉体供給動作を制御する「パウダーサプライフィードバック」機能を搭載し、造形品質を向上させています。
メルトプールモニタリングメルトプールモニタリング
メルトプールモニタリングの有無による造形品質の比較
メルトプールモニタリングがされていない左側の造形では造形面が粗く、凹凸があるの対し、メルトプールモニタリングにて制御されると右側の様に造形の天面や周辺部が安定し、滑らかな造形が可能となります。

使える材料が豊富なため幅広いニーズに対応可能

汎用性の高い「ステンレス」、高速での金属を切削できる工具材料に使われる「高速度鋼(ハイスピード鋼)」、耐食・耐熱性に優れた工業材料である「ニッケル基合金」、そして軽くて、強くて、錆びないことが特徴で様々な業界で使われている「チタン合金」。
これら4種類の材料が使えるため、機械加工や医療、航空宇宙業界まで幅広いニーズにお応えすることが可能です。
使用可能材料が豊富使用可能材料が豊富
金属3Dプリンターで使用できる材料

造形品質及び強度

スタンダードな造形条件で造形したSUS316L 10㎜角キューブの内部ボイド検査の結果は以下の通り。造形物の内部にボイド(気泡、微小な空洞)は観察されておらず、欠陥がないことがわかります。
X線CT検査データ
X線CT検査機(Nikon XT H 320)を使用した内部ボイド検査の結果
下記データはJIS規格に準じたSUS316L造形物の引張強度試験を行った結果です。水平(横)方向に造形したもの、垂直(縦)方向に造形したものそれぞれに対して5回ずつ検査しています。ご覧の通り、いずれも基準値を超える強度を確保しています。
引っ張り強度試験結果引っ張り強度試験結果
引っ張り強度試験結果(社内検査)

加工事例