難削材&脆性材加工2
ニコンのレーザー加工機は、幾何公差サブマイクロメートルレベルの高精度な平面加工が可能です。この装置で行った難削材、脆性材への加工事例を3つご紹介します。
①燃料電池セパレータ金型加工
燃料電池で用いられるセパレータ金型をイメージした加工事例です。この金型には超硬合金などの難削材が用いられるだけでなく、ガスが流れる複雑な形状の流路が形成されているため、従来の加工機で高精度加工を実現するのは困難でした。
セパレータ金型の例、今回はPD613を使用。超硬を含め、他の金属材料も加工可能
流路に様々な絞り形状(青枠拡大図)を取り入れた構造を再現する加工を実施
加工結果
ニコンのレーザー加工機での加工結果は以下の通りです。ガス拡散を促進させるための滑らかな絞り形状やテーパー形状を取り入れた、難易度の高い面形状加工を広い範囲で極めて高い精度(平均加工誤差1.3um)にて実現することに成功しました。
②セラミックス材の微細形状加工
セラミックス材料であるアルミナ基板への微細形状の加工事例です。セラミックス材は半導体露光装置、FPD製造装置等の精密機械に採用されているエアベアリング、静電/真空チャックなどの製作に用いられています。これら部品の加工は機械加工やブラスト加工といった手法が一般的でしたが、時代の変化とともに更なる高精度化や工程時間抑制のニーズが高まっています。
加工結果
セラミックスは硬く脆い材料のため高精度な加工が困難ですが、ニコンのレーザー加工機による加工では、共通平面出し加工やセラミックス製品であるエアベアリング、半導体ウエハチャックを想定した溝加工、微細ピン加工に成功。マイクロ~サブマイクロメートルの高い精度で加工することができました。
③高硬度材インサート切削工具加工
ナノ多結晶ダイヤモンドのインサートチップの刃先への、切りくず処理性能を高めるチップブレーカ等の付与を想定した微細形状加工の事例です。ナノ多結晶ダイヤモンドは高硬度材かつ絶縁材料のため、加工手段が限られておりダイヤモンドのなかでも非常に加工が困難な材料として知られています。
加工結果
ニコンのレーザー加工機での加工結果は以下の通りです。 極めて高い精度(平均加工誤差4um)で微細形状加工を実現しました。難削材かつ放電加工が困難なナノ多結晶ダイヤモンドでもミクロン精度で精密な加工が可能です。
※加工・計測時間は目安値となります