きさげ加工
きさげ加工とは?
可動部を持つ機械部品では平面度が高い金属同士が重なると、相互に固着する「リンギング」と呼ばれる現象が発生します。このリンギング現象の発生を防ぐため、金属同士が平面で接触する際は、表面に微小な窪み(油溜り)を付け、潤滑油が留まるようにする必要があります。このときに行う面加工が「きさげ加工」です。
この加工で求められる加工精度は数マイクロメートルレベルと精密なため、通常の工作機械では実現が難しく、これまでは熟練の技術をもつ職人が手作業で加工を行ってきました。
この加工で求められる加工精度は数マイクロメートルレベルと精密なため、通常の工作機械では実現が難しく、これまでは熟練の技術をもつ職人が手作業で加工を行ってきました。
職人によるきさげ加工の様子
ニコンのレーザー加工機によるきさげ加工
ニコンはレーザー加工機を用いて「きさげ加工」を再現することに成功しました。こちらは実際に鋳鉄プレート(FC300)に「きさげ加工」を施した例です。機上計測で職人が加工したきさげ面の凹凸形状を測定し加工を行うことで、きさげ形状をサブマイクロメートルレベルで忠実に再現。習熟に10年以上必要とされる「きさげ加工」の自動化を実現しました。
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鋳鉄プレート(FC300)上のきさげ再現加工
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加工面の拡大図
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加工表面をデータ化したもの
きさげ加工の再現性に関するデータ
加工後形状と目標形状の比較データです。矢印の部分の測定結果が下段のグラフです。ご覧の通り、非常に高いレベルできさげ加工を再現することに成功しました。
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目標形状との比較データ
※加工・計測時間は目安値となります